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認知症の進行段階とその特徴を解説・初期から後期までの変化と対応方法

介護

認知症とは何か?

認知症とは、記憶や判断力などの認知機能が持続的に低下し、日常生活に支障が出る状態を指します。現在、日本では高齢化が進み、2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予測されています。

認知症は【もの忘れ】とは違うんだよ。
年齢による物忘れは一部を忘れることが多いけれど、認知症は【体験そのもの】を
忘れてしまうんです。

認知症の進行段階とは?

認知症は一般的に「初期」「中期」「後期(重度)」の3段階で進行します。それぞれの段階における症状や必要な対応を理解することは、本人と家族の生活を守るうえでとても大切です。

【初期段階】「あれ、おかしいな?」のサイン

主な症状

  • 日常的な物忘れ(約束や物の置き場所を忘れる)
  • 時間や場所の感覚があいまいになり不安定になる
  • 意欲の低下や軽いうつ症状、無気力になる
  • 同じことを何度も質問する

この段階では、本人にも「最近おかしいな」という違和感があります。ただ、まだ日常生活はある程度自立しているため、見逃されがちです。

家族の対応

  • 責めない・怒らないで全てを受け止める姿勢
  • 「さっき言ったでしょ」は禁句
  • カレンダーやメモでサポート
  • 定期的な受診や地域包括支援センターの活用

筆者も、介護職に就くまでは認知症のことはよく分からないことだらけでした。
同じことを何度も繰り返し話してくる相手に、イライラしたり「さっき何度も言ったでしょ」って話していたことが何度もありました。介護職に就いてからは、認知症の方に対しては責めずに受け入れることが大事だということを学びました。

早めに気づいてあげることが大事!「なんだか最近同じこというなぁ」って感じたら、優しく「一緒に病院に行ってみようか?」って声をかけてみましょう

【中期段階】生活に支援が必要な時期

主な症状

  • 家事や買い物が難しくなる
  • 自分のいる場所が分からなくなる(徘徊)
  • 被害妄想(「財布を盗まれた」「あの人に騙された」など)
  • 感情の波が激しくなる(例:急に怒りだしたり、急に泣き出すことも)
  • 排泄や入浴、着替えなどに介助が必要になる

中期段階になると、日常生活に継続的な支援が必要になってきます。家族や介護者の負担が増えるため、外部のサービスを利用することが非常に大切にです。

家族の対応

  • ヘルパーやデイサービスの活用
  • ケアマネジャーと連携を取る
  • 認知症サポーター養成講座などへの参加
  • 本人の「できること」を尊重して見守る

中期になると、「お世話が大変・・・」と感じてしまう事がありますよね。
そんな時は、一人で抱え込まず、福祉のサービスを活用することが自分と家族を守るポイントです。

【後期(重度)段階】ほぼすべての生活動作に介助が必要

主な症状

  • 言葉が少なくなる、表情が乏しくなる
  • 食事や排泄ができず全面介助が必要
  • 寝たきりや筋力の低下で褥瘡じょくそうのリスクが大きくなる
  • 家族の顔や場所の認識が難しくなる

後期段階では、介助が必要になり、身体的なケアや医療的な管理も重要になり、施設入所を検討する方も増えてきます。

家族の対応

  • 訪問看護や医師との連携
  • 寝たきりの方による褥瘡対策(体位変換やマットの利用)
  • 本人の尊厳を守る関わり方(やさしい声かけ、タッチケア)
  • 介護施設への入所もやショートステイなども選択肢にいれる

後期の介護は、本当に心も身体も大変な時期です。
だからこそ「ありがとう」の気持ちを忘れずに、家族や介護者も休める時間を
確保してね!自分を責めないことがいちばん大切だよ。

認知症とともに現れる周辺症状(BPSD)

認知症の進行が伴うと、「認知機能の低下」だけでなく「行動・心理症状(BPSD)」と呼ばれる症状も見られます。

  • 暴言・暴力
  • 幻覚・幻聴
  • 昼夜逆転・不眠
  • 抑うつ
  • 拒否・徘徊
  • 引きこもり

これらは、本人の心の不安や混乱の表れでもあります。

対応のコツ

  • 否定せず、共感的に受け止める
  • 落ち着ける環境づくり(騒音・明かり・居場所の確保)
  • 必要に応じて専門医の判断

「どうしてこんなこと言うの?」って思う時も、実はすごく不安だったり、誰かに気づいてほしいだけだったりします。
その気持ちに寄り添うことが、一番のケアになります。

段階ごとの対応とポイント早見表

段階特徴対応のポイント
初期物忘れ・軽い混乱優しく気づきを促す
受信の勧め
中期徘徊・妄想・生活困難外部サービスの利用
家族の支援強化
後期意思疎通困難・寝たきり介護施設や医療との連帯
尊厳のケア

介護はひとりじゃない

認知症は治らない病気ですが、「共に生きる」ことはできます。本人の尊厳を大切にしながら、支えあっていく社会を目指すことが求められてきます。

認知症の介護は、誰かと支え合いながら行うもの。完璧じゃなくてもいいんです。大切なのは、心をこめて関わることです。

次回予告|「認知症の方との接し方・コミュニケーションのコツ」

次回は、認知症の方との心地よい関わり方について、こひなちゃんと一緒にご紹介します。声かけや表情、タイミングなど、すぐに実践できるヒントが満載です。どうぞお楽しみに!

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